名古屋市立大学 芸術工学部
産業イノベーションデザイン学科 3年
相原洸太
mino(ミノ)は、特定の季節で使われるモノを、使われていない季節において収納するためのオブジェです。それぞれの季節における、モノを取り出す、使う、しまうというサイクルを、ミノムシの蓑のような収納を介することで、一年を通して季節の移ろいを感じられる、情緒的なものにします。
特定の季節で使われる季節性を持つモノ。それらは、使う季節になると押し入れなどから取り出され、その季節が過ぎるとしまわれる。一年を通して繰り返されるそのサイクルは、まるで季節を分断しているような、味気のないものに感じられます。そこで私は、季節性を持つモノの、使われていない季節において、次に使う時までの季節の流れを感じられる要素を取り入れました。それにより、季節性を持つモノ同士に繋がりが生まれ、一年を通して季節の移ろいを感じられるような、情緒的なサイクルが生まれるのではないかと考えます。
使われていない時において季節の流れを感じられ、使用する季節までのワクワク感を与えるメタファーとして、収納部分をミノムシの蓑のような佇まいにしました。季節が終わりモノをしまう時、モノに対して、次にまた使われ活躍するまでの居場所を作ることで、単なるモノをしまうという行為に情緒的な意味を与え、またそのことが、間接的にモノへの愛着にも繋がればいいなと思います。