九州大学 芸術工学部 芸術情報設計学科 3年
大嶺 太聖
私たち人間は、周りの人々の考えや感情に影響され生きています。時にそれは、自分に嘘をつくことになったり、アイデンティティを見失ってしまったりする原因にもなりえます。 しかし、少し目を下にむけると、猫は常に自分の思うままに、自分のしたいことをしているように見えます。猫はその風貌にくわえ、そのような自由気ままな生き方でも人を魅了させてきたのでしょう。 猫は癒しです。できることなら猫の行動をずっと見ていたいという人も多いのではないでしょうか。そこで、猫のいる日常をぼーっと眺められる方法を模索してみました。
スローテレビというジャンルが確立されているように、ありふれた出来事を長時間にわたって配信するという形式は、人々の心を惹くなにかがあります。
今回は、ゲームエンジンを使用してアニメーションを付けた猫の3Dモデルをリアルタイムに動かし、その映像をYouTubeで配信することで数時間にわたり猫の様子を映し出します。ライブ配信にすることによって、より臨場感が高まるのではないかと考えています。
3DCGソフトウェアBlenderで猫のモデル作成と数種類のアニメーション作成を行い、ゲームエンジンUnreal Engine 4上でアニメーションをランダムにリアルタイム再生することで、猫の動きを再現しています 。猫の動きにランダム性を加えたり、アニメーションを自動生成することができるとよりリアルになるのではと思いましたが、制作期間の都合上実装できませんでした。
今回は映像で猫の日常を見るのみでしたが、より複雑な動きとともに、餌をあげられるなどインタラクティブ性をもたせ、24時間365日触れ合える環境を整えれば、より自分のペットとしての猫に近づけられ、猫とともに過ごす日常を再現できるのではないかと考えています。