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捏ねて奏でる楽器

CLAY SOUND

九州大学 芸術工学部 工業設計学科 3年
西村 息吹

音楽は時間芸術といわれる。絵や造形物は書き込んだり間違えたら修正をかけたりできるので、特殊な場合もあるが基本的に時間をかければかけるほどより精密なものが出来上がり、制作の時間に上限や下限はなく、技術がない人でも落ち着いて納得いくまで制作すればいいものができるし、ささっと手軽な気持ちで取り組むこともできる。しかし音楽の演奏はどれだけ練習を重ねても本番のその一瞬に成功できるかどうかがすべてである。それゆえに楽器演奏には確かな技術が要求され、リズム感が重要になってくる。また、演奏がうまい人でも下手な人でも同じ曲ならば同じだけ時間をかけなければならないし、聴く側としてもフルアルバムを聴くのに小一時間椅子に座って耳を傾けていないと本来の感動を味わうことができない。このように音楽には時間的制約がかかる。それによって音楽の行為には敷居が上がる。普段音楽制作や演奏をしない人でも手軽に音と関われるように、できるだけ時間要素を感じさせず、粘土をこねるような感覚で連続的に音色が移り変わるような音楽が作れないかと考え、楽器と音との関わり方提案することにした。

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捏ねて奏でる楽器

本体には粘土のような柔らかい部分がついていて、手で触って自由に変形させることができる。形を作ったオブジェクトをセンサーが読み取り、その形の波形を1周期、100mmで440Hzとする音が鳴る。オブジェクトを回転させることもでき、360°すべての形を連続的にとらえ音の変化を楽しむことができる。

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手で作った形によって音色や高さが変わり、丸くしたらこもった音、ギザギザさせたら歪んだ音、短くしたら高い音など、耳以外の感覚で直感で音を操ることができる。gainのノブをいじるとどうなる、toneのノブをいじるとどうなるといった知識は必要なく、見たままの波形がそのまま音になるためわかりやすい。また手で作ったものが耳に反映されるためそれだけでエンターテイメント性があり、スキルやリズムがなくても十分に楽しむことができる。
また音の高さを指定し一定にしたり鍵盤につなぐこともできプロ向けに楽器の演奏にも使用できる。

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「うつる」音色

粘土をぐにゃぐにゃとアナログで弄って音を作るため、ドレミとか四分音符ひとつぶんとか、数字を気にしない全く新しい「うつる」音楽を楽しむことができる。
時間的な概念にとらわれない、目と手を使って直感的に生み出される、自由で手軽な「うつる」音楽を提案する。

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西村 息吹

にしむら いぶき

九州大学 芸術工学部 工業設計学科 3年

コメント()
糸目華
感想ありがとうございます。 今回私は、テーマを「映る」として制作にあたりました。テキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテ
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